無垢の床材選びの失敗談
無垢の床材の選択について経験した
苦~い
失敗談があります。
ある時
取引先の銘木屋さんの展示会で
木目といい、色合いといい
とても木味の良いカラ松の床材に出会いました。
(木目や風合いが良い木材を
我々は「木味(きあじ)がよい」と表現します。)
「カラ松のフローリングって使った経験がないけど…
大丈夫かな…?」
という私の不安を笑い飛ばして製造メーカーの担当者が
「この床を売り始めて2年目ですが、
評判はとてもいいですよ。
それにしてもなかなかの木味(きあじ)でしょう?」
と太鼓判を押しました。
「木味は素晴らしいけれどねぇ…
う~む…
(カラ松という木材の質に対する
一抹の不安があったのですが…)
とりあえず自宅のリビングに使ってみようか…」
と
当時工事中だった我家のリビングに張ってみることにしました。
(前回のブログ参照)
工事が完了し
リビングに張られたカラ松のフローリングは
私の不安をよそに
美しい木目が渋く輝いて
とても良い感じに仕上がっていました。
特に
キヌカ(糠から抽出した浸透性のワックス)を塗布すると
木目がさらに、
しっとりと美しく変化するのです。
私は
カラ松のフローリングで大正解だったようだ。
お客様にも勧めてみよう…
と喜んでいました。
ところが
それから2年が過ぎた冬のある日
キヌカワックスで床を磨いていた家内が
突然
「痛い!」と
悲鳴を上げました。
見ると家内の指にトゲが刺さり
血が吹き出していました。
傷の手当てをしてから
床をよくよく調べてみると
フローリングのつなぎ目付近の木目が
まるで針のように鋭く
ピシッと
裂けるではありませんか
うわ~っ
こ、
これは危険だ!
それこそ孫の足にでも刺さったら
大変なことになってしまう…
何とかしなければ…
子供の頃
カラマツの製材品に触った手に
チクチクたくさんの細かいとげが刺さって
痛い思いをしたことを思い出しました。
あれこれ考えましたが
選択肢は2つしかありません。
張り替えるか
或いは
表面を塗料で固めるか
の二択です。
最終的に費用と工期の理由から
後者を選びました。
丁寧にサンダーをかけた後に
表面が固まる塗装をかけてもらったところ
なんとかトゲが刺さる危険はなくなったようです。
(ピカピカ光るフローリングになってしまいましたが、)
ホッ…
しかしながら
見た目とか
人の言葉に惑わされて
経験や基本的なことをつい忘れてしまい
誤った判断をしてしまった自分が情けなく思いました。
我家のリビングの床を見るたびに
お客様の家に使用しなくて良かった…と
つくづく
思うこの頃です。